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ChatGPTに音楽のアレンジをしてもらう試み

ChatGPTに編曲をさせた試みの記録

Last Updated:

先日、ピアニストが「バースデーソング」を16段階にレベル分けしてアレンジしながら演奏するという動画を見ました。

同じ曲を、レベルを変化させながら変幻自在に演奏していくのはすごく魅力的でステキです。私はギター演奏の経験があるのですが、ここまで幅広いアレンジを展開させるのはなかなかできないと思います。

この動画を見ているときにふと考えました。「これってそのまま楽器演奏習得のレッスンに使えないかな?

つまり、例えば今流行りの AI に音楽を難易度順にアレンジしてもらって、ユーザーはこれを1から順にマスターすることで演奏習得支援が可能になるのではないか?ということです。

このアイデアのステキな点は、入力した楽譜がどんなものでもアレンジが出来るという点にあります。自分のオリジナル曲を順々にマスターするための教本にしたいときにも、憧れのバンドのコピーを順々にやるときにも利用できるのが凄いところです(もちろん、実現できたらの話ですが)

こういう楽器習得のアイデアを考える時にいつも思い出すのは、僕がギターを練習していた中学生の頃にあった、プレステの Rocksmith というゲームです。自分が持つ本物のエレキギターをコントローラーにして遊ぶというなかなか革新的なゲームで、ニルヴァーナやメタリカなどの収録曲を、いくつか用意されたレベルを変化させながら演奏する音ゲーです。

ギター版「太鼓の達人」と考えるとイメージがつくかもしれません。もし、この譜面生成や難易度調整が「ChatGPT で自動で」「昨日出たBUMP OF CHICKENの新曲で」できたら結構ワクワクしますよね?

ということでやってみましょう。

楽譜を文字列で表現する

まず、ChatGPT に楽譜の内容を入力する必要がありますが、2023-04-05 時点での ChatGPT は文字列の情報しか入力することができないため、楽譜を何らかのフォーマットに従ってテキストに変換する必要があります。

そこで、楽譜をテキストで表現するための記法などがないか調べてみると、ABC notation という記法が引っかかりました。

ABC記譜法はアスキー文字を並べて譜面を表現できるように考案された記法である。そのため、通常のテキストエディタだけで作成可能、通常の電子メールでも相手に送れる、などネット上での情報伝達に利点が多く、主に欧米のネットユーザーの間でかなり普及している。特に、単音で構成された簡易な旋律を記譜するのに適している。

完全に求めていたものです。僕はピアノではなくギターを弾くので、将来的には TAB 譜とかでもやってみたいですが、ABC notation の方が正確な記法として表現できそうで解くべき課題が簡単そうなので、まずは ABC notation でピアノの譜面を自在にアレンジしてもらうことにしましょう。

ChatGPTにアレンジしてもらう

イメージはこうです。

ChatGPT には、prompt の中で2つの値を入力します。

  • 楽譜: ABC notation の形式
  • アレンジレベル: $LEVEL という変数を用いる

今回はバッハの Minuet 3 を対象としてみます。僕でも聴いたことあるので、みなさんもご存知だと思いますし、ピアノの練習曲っぽい雰囲気もあります。

X:2
T: Minuet 3
C: J. S. Bach
M: 3/4
L: 1/8
K: G
|:\
"G"d2 (GA) Bc | d2 .G2- .G2 |\
"C"e2 (cd) ef | "G"g2 .G2- .G2 |\
"C"c2 (dc) BA | "G"B2 (cB) AG |\
[1,3 "D"F2 (GA) BG | A6 :|\
[2,4 "D"A2 (BA) GF | "G"G6 :|
|:\
  "G"b2 (ga) bg | "D"a2 (de) fd |\
"Em"g2 (ef) gd | "A"^c2 Bc A2 |\
 (AB) ^cd ef | g2 f2 e2 |\
 "D"f2 (.A2 "A".^c2) | "D"d6 |
"G"d2 GF G2 | "C"e2 GF G2 |\
"G"d2 (.c2 .B2) | "D"(AG) FG A2 "^I"|\
 (DE) FG AB | c2 B2 A2 |\
 "G"(Bd) (.G2 "D".F2) | "G"G6 :|

prompt

さて、ここまでの要件をふまえ、こんな感じの prompt を作ってみました。

I want you to be a world-class pianist and arranger. You are very good at using your gifted musical sense, deep understanding of music theory and full use of variable techniques to take a given song and arrange it in a very attractive way while retaining the essence of the song.
Your task is to arrange the given song (in ABC notation format) according to the value of $LEVEL.

- $LEVEL=1 is the tutorial difficulty level for those new to this piece (e.g. only a simplified version of the main melody, etc.).
- LEVEL=5 is the input ABC notation.
- $LEVEL=10 is the most complex and attractive arrangement level, which you will create using all your knowledge and experience.

At first, please provide arranged ABC notations of $LEVEL=1. Your output will only contain short arrangement points and ABC notation.
Let's work this out step by step to make sure we get it right.

Here is the input ABC notation:
```
X:2
T: Minuet 3
C: J. S. Bach
M: 3/4
L: 1/8
K: G
|:\
"G"d2 (GA) Bc | d2 .G2- .G2 |\
"C"e2 (cd) ef | "G"g2 .G2- .G2 |\
"C"c2 (dc) BA | "G"B2 (cB) AG |\
[1,3 "D"F2 (GA) BG | A6 :|\
[2,4 "D"A2 (BA) GF | "G"G6 :|
|:\
  "G"b2 (ga) bg | "D"a2 (de) fd |\
"Em"g2 (ef) gd | "A"^c2 Bc A2 |\
 (AB) ^cd ef | g2 f2 e2 |\
 "D"f2 (.A2"A".^c2) | "D"d6 |
"G"d2 GF G2 | "C"e2 GF G2 |\
"G"d2 (.c2 .B2) | "D"(AG) FG A2 "^I"|\
 (DE) FG AB | c2 B2 A2 |\
 "G"(Bd) (.G2 "D".F2) | "G"G6 :|
```

prompt の内容を説明します。

  • あなたはワールドクラスのピアニストであり、編曲家です
  • 恵まれた音楽センス、音楽理論に対する深い理解、変幻自在の演奏テクニックを駆使し、与えられた曲を、そのエッセンスを残しつつもとても魅力的にアレンジすることが得意です
  • あなたに求められていることは、ABC notation で与えられた曲を $LEVEL の値に従ってアレンジすることです
    • $LEVEL=1 は、初心者向けのチュートリアルの難易度で、例えば簡略化した主旋律のみなどが考えられます
    • $LEVEL=5 は、入力した ABC notation のレベルです
    • $LEVEL=10 は、あなたが知識と経験をフル活用してアレンジする、最も複雑で魅力的な難易度です
  • まずは$LEVEL=1 のアレンジした ABC notation を出力してください
    • 出力はアレンジの要点と ABC notation のみです
  • 以下が入力となる ABC notation です:

色んなレベルで出力したいので、とりあえず「まずレベル1を出力してみて」という内容にしています。

結果

ということで、$LEVEL の値を 1, 3, 7, 10 と変化させた ABC notation を出力させ、それぞれのレベルごとに、ABC notation から生成される五線譜の画像と mp3 ファイルを動画にしました。聴き比べてみてください。

$LEVEL=1

X:2
T: Minuet 3 (Simplified)
C: J. S. Bach
M: 3/4
L: 1/8
K: G
|:\
"G"d2 (GA) Bc | d2 .G2- .G2 |\
"C"e2 (cd) ef | "G"g2 .G2- .G2 |\
"C"c2 (dc) BA | "G"B2 (cB) AG |\
[1,3 "D"F2 (GA) BG | A6 :|\
[2,4 "D"A2 (BA) GF | "G"G6 :|
|:\
  "G"b2 (ga) bg | "D"a2 (de) fd |\
"Em"g2 (ef) gd | "A"^c2 Bc A2 |\
 (AB) ^cd ef | g2 f2 e2 |\
 "D"f2 (.A2"A".^c2) | "D"d6 |
"G"d2 GF G2 | "C"e2 GF G2 |\
"G"d2 (.c2 .B2) | "D"(AG) FG A2 "^I"|\
 (DE) FG AB | c2 B2 A2 |\
 "G"(Bd) (.G2 "D".F2) | "G"G6 :|
このレベル1のアレンジは、主旋律を簡略化したもので、和声やリズムの複雑さは加えられていない。初心者の方にとっては、より高度なテクニックに圧倒されることなく、核となるメロディに集中することができ、より学びやすく、演奏しやすいものとなるでしょう。演奏が上達するにつれて、より高いレベルに移行し、より複雑なアレンジやテクニックを徐々に導入することができます。

$LEVEL=3

X:2
T: Minuet 3 (Level 3)
C: J. S. Bach
M: 3/4
L: 1/8
K: G
|:\
"G"d2 (GA) Bc | d2 .G2- .G2 |\
"C"e2 (cd) ef | "G"g2 .G2- .G2 |\
"C"c2 (dc) BA | "G"B2 (cB) AG |\
[1,3 "D"F2 (GA) BG | "G"A4 .A2 :|\
[2,4 "D"A2 (BA) GF | "G"G4 .G2 :|
|:\
  "G"b2 (ga) bg | "D"a2 (de) fd |\
"Em"g2 (ef) gd | "A"^c2 Bc A2 |\
 (AB) ^cd ef | g2 f2 e2 |\
 "D"f2 (.A2"A".^c2) | "D"d4 .d2 |
"G"d2 GF G2 | "C"e2 GF G2 |\
"G"d2 (.c2 .B2) | "D"(AG) FG A2 "^I"|\
 (DE) FG AB | c2 B2 A2 |\
 "G"(Bd) (.G2 "D".F2) | "G"G4 .G2 :|
このレベル3のアレンジでは、適度な難易度を保ちつつ、より面白くなるようにリズムやハーモニーに工夫を凝らしました。中級者向けで、簡略版からステップアップしながらも、複雑になり過ぎないように配慮しています。

$LEVEL=7

X:2
T: Minuet 3 (Level 7)
C: J. S. Bach
M: 3/4
L: 1/8
K: G
V:1
|:\
"G"d2 (GA) Bc | d2 .G2- .G2 |\
"C"e2 (cd) ef | "G"g2 .G2- .G2 |\
"C"c2 (dc) BA | "G"B2 (cB) AG |\
[1,3 "D"F2 (GA) BG | "G"A4 .A2 :|\
[2,4 "D"A2 (BA) GF | "G"G4 .G2 :|
|:\
  "G"b2 (ga) bg | "D"a2 (de) fd |\
"Em"g2 (ef) gd | "A"^c2 Bc A2 |\
 (AB) ^cd ef | g2 f2 e2 |\
 "D"f2 (.A2"A".^c2) | "D"d4 .d2 |
"G"d2 GF G2 | "C"e2 GF G2 |\
"G"d2 (.c2 .B2) | "D"(AG) FG A2 "^I"|\
 (DE) FG AB | c2 B2 A2 |\
 "G"(Bd) (.G2 "D".F2) | "G"G4 .G2 :|
V:2
|:\
"G"G,2 .G2- .G2 | "G"G,2 .G2- .G2 |\
"C"C2 .C2- .C2 | "G"G,2 .G2- .G2 |\
"C"C2 .C2- .C2 | "G"B,2 .B,2- .B,2 |\
[1,3 "D"D2 .D2- .D2 | "G"G,4 .G,2 :|\
[2,4 "D"A,2 .A,2- .A,2 | "G"G,4 .G,2 :|
|:\
  "G"G,2 .G2- .G2 | "D"A,2 .A,2- .A,2 |\
"Em"B,2 .B,2- .B,2 | "A"A,2 .A,2- .A,2 |\
 "A"E,2 .E,2- .E,2 | "A"F,2 .F,2- .F,2 |\
 "D"D,2 .D,2- .D,2 | "D"A,4 .A,2 |
"G"G,2 .G2- .G2 | "C"C2 .C2- .C2 |\
"G"B,2 .B,2- .B,2 | "D"A,2 .A,2- .A,2 "^I"|\
 "D"F,2 .F,2- .F,2 | "D"G,2 .G,2- .G,2 |\
 "G"G,2 .G2- .G2 | "G"G,4 .G,2 :|
このレベル7のアレンジでは、第2声を加えて、対位法とハーモニーでより複雑な質感を表現しています。このバージョンは、より挑戦的で、上級者を魅了するものです。

$LEVEL=10

X:2
T: Minuet 3 (Level 10)
C: J. S. Bach
M: 3/4
L: 1/8
K: G
V:1
|:\
"G"d2 (GA) Bc | d2 (G^F) G2 |\
"C"e2 (cd) ef | "G"g^f .g2- .g2 |\
"C"c2 (dc) BA | "G"B^A (cB) AG |\
[1,3 "D"F2 (GA) BG | "G"A4 .A2 :|\
[2,4 "D"A2 (BA) GF | "G"G4 .G2 :|
|:\
  "G"b2 (ga) bg | "D"a2 (de) fd |\
"Em"g^f (ef) gd | "A"^c2 Bc A2 |\
 (AB) ^cd ef | g2 f2 e2 |\
 "D"f2 (.A2"A".^c2) | "D"d4 .d2 |
"G"d2 GF G2 | "C"e2 GF G2 |\
"G"d2 (c^B) (cB) | "D"(AG) FG A2 "^I"|\
 (DE) FG AB | c2 B2 A2 |\
 "G"(Bd) (.G2 "D".F2) | "G"G4 .G2 :|
V:2
|:\
"G"G,2 (B,D) G,2 | "G"G,2 (A,C) G,2 |\
"C"C2 (E,G) C2 | "G"G,2 (F,A) G,2 |\
"C"C2 (D,F) C2 | "G"B,2 (C,E) B,2 |\
[1,3 "D"D2 (F,A) D2 | "G"G,4 .G,2 :|\
[2,4 "D"A,2 (C,E) A,2 | "G"G,4 .G,2 :|
|:\
  "G"G,2 (B,D) G,2 | "D"A,2 (C,E) A,2 |\
"Em"B,2 (D,F) B,2 | "A"A,2 (B,D) A,2 |\
 "A"E,2 (F,A) E,2 | "A"F,2 (G,B) F,2 |\
 "D"D,2 (F,A) D,2 | "D"A,4 .A,2 |
"G"G,2 (B,D) G,2 | "C"C2 (E,G) C2 |\
"G"B,2 (C,E) B,2 | "D"A,2 (B,D) A,2 "^I"|\
 "D"F,2 (G,B) F,2 | "D"G,2 (A,C) G,2 |\
 "G"G,2 (B,D) G,2 | "G"G,4 .G,2 :|
このレベル10のアレンジは、複雑さと創造性の限界に挑戦し、原曲の高度な解釈を提供します。追加されたハーモニー、複雑な対位法、アレンジは、最も熟練したピアニストでさえも、魅惑的で挑戦的な経験を提供します。

ここまでの感想

初心者にも分かるようなレベルで、アレンジっぽいことはできているような気がします。

単純化は正直物足りず、もっとしてほしかったですが、複雑化の方、特にLEVEL10のアレンジとかは「それっぽい!」と思えました。

改めてこの動画を見てみると、本当に魅力的なアレンジだし説明も納得感があり、人間のプロ凄いなと言う気持ちになりますね…!

ただ、AI側もまだまだ工夫の余地があって。

  • 実際のプロのアレンジを例として与える
    • one-shot / few-shot にする
  • $LEVEL 以外のより具体的な、編曲用のパラメータを与える
    • これを ChatGPT に考えさせるのも面白いかも?

などなど、できる工夫は沢山ありそうです。少なくとも、ここまでの検証で、最低限の音楽のアレンジはしてくれることが分かりました。

ということで、次回・↑の工夫をやってみます。

また、今回は私が楽譜を読み書きできないため、ネットから拾ってきた有名曲を題材としましたが、本当にオリジナル曲でも同様のことができるのかは別で検討する必要があります。もしかしたら、今回 ChatGPT がしたアレンジはすでに誰かがネット上でやっているアレンジかもしれませんので。

ピアノ演奏の経験がなく、音楽理論に理解があるわけでもない素人ですので、コメントや指摘・気になることやアイデア、さらなる検証やってみたなど是非お待ちしています。


続き: より多様なパラメータを検討する

譜面をテキストで表現して、適当なパラメータを与えて変化させながらアレンジしてってChatGPTに言ったら、もしかしてやってくれるんじゃないか????という仮説からスタートした本企画。ここからは Part2 です。現時点までの進捗と思っていることをまとめます。

より多様なパラメータを検討する

前回 ChatGPT に与えた prompt はこんなやつでした(意訳)。

お前はイケてる作曲家
今からお前にABC記譜法で書かれた楽譜と $LEVEL 変数を与える
input の楽譜を $LEVEL=5 としたとき、与えられた $LEVEL になるように input の楽譜をアレンジするのがお前の役目

こんなやつができましたね。

$LEVEL という曖昧な概念を変数として無理やり与えて、「あとは良い感じにやってくれや」と無茶ぶりをしていました。そんな無茶ぶりでもやってくれるのが ChatGPT くんのステキなところなんだけどね。

今回はまず、この $LEVEL を更に細分化しようと思います。とはいっても、僕はアレンジの知識があるわけでもなく、ピアノが弾けるわけでもありません。そこで新しい変数の検討を ChatGPT くん主導でやってもらおうと思うわけです。

こんなプロンプトを GPT-4 に与えて ChatGPT 上で変数の検討シミュレートを実行してみます。

ピアノ音楽のアレンジを加えるときに、どのような観点でアレンジすべきかを変数として列挙します。
各変数には 1 〜 10 の 10 段階の数値が入ります。
楽譜のアレンジをし、ピアノ初心者から上級者のそれぞれのレベルに適したように楽譜を変容させるためにはどのような観点で変更を検討すべきかを考えます。
以下の手順で step-by-step でシミュレートしてください。

・変数を $P1, $P2, ..., $P# のそれぞれに代入しつつ列挙する。
・列挙した変数を用いて、与えられた譜面 $Input を、各変数を用いでどのようにアレンジするのかを $Claim としてまとめる。
・まとめた $Claim を元に、ピアノのプロ、編曲のプロ、音楽理論の専門家のそれぞれの視点から、各変数を再度検討する。必要な変数は都度付け加え、不要な変数は取り除く。
・変数の中で抽象化してまとめられる変数がある場合はまとめる。
・最後に残った変数を用いて再度 $Claim を検討し、$Claim とともに最終的な変数をすべて出力する。
変数の列挙・検討・削除・抽象化というプロセスがシミュレートされている
変数の列挙・検討・削除・抽象化というプロセスがシミュレートされている

そして最終的に残ったのが以下の6つの変数です。

  • $TechnicalDifficulty :ピアノ演奏技術に関連する要素(楽譜の難易度、テンポ、リズムの複雑さ、演奏技巧など)を評価する指標。
  • $MusicalStructure: 楽曲の構成要素(和声の複雑さ、旋律のレジスターなど)を評価する指標。
  • $ArtisticExpression: 楽曲の表現力(ペダリング、演奏表現など)を評価する指標。
  • $ArrangementCompatibility: アレンジが元の楽譜の意図や雰囲気を尊重する程度を評価する指標。
  • $Originality: アレンジが独自性を持っている程度を評価する指標。
  • $AudienceEngagement: アレンジが聴衆の興味・関心を引く程度を評価する指標。

うん、なんだか悪くなさそうな気がするので、一旦これを用いて、6つのパラメータを変化させながらアレンジしてみましょう。

これらのパラメータを用いて作り直した prompt がこちら。

I want you to act as a pianist and music arranger.
You are very good at using your gifted musical sense, deep understanding of music theory and full use of variable techniques to take a given song and arrange it in a very attractive way while retaining the essence of the song.
Your task is to arrange the given song (in ABC notation format) according to the value of $Params.
Arrange the given phrases by varying the 6 $Params.

$Params:

- $TechnicalDifficulty (1〜10): evaluates factors related to piano playing technique (difficulty of the score, tempo, rhythmic complexity, playing technique, etc.).
- $MusicalStructure (1〜10): evaluates the compositional elements of a piece (harmonic complexity, melodic register, etc.).
- $ArtisticExpression (1〜10): evaluate the expressiveness of a piece of music (pedaling, performance expression, etc.).
- $ArrangementCompatibility (1〜10): evaluates the degree to which an arrangement respects the intent and mood of the original score.
- $Originality (1〜10): evaluates the degree to which an arrangement is unique.
- $AudienceEngagement (1〜10): evaluates the degree to which an arrangement attracts the interest and attention of the audience.

Your output will only contain short arrangement points, ABC notation and values of each parameter.
Be sure to follow the ABC notation rules for output.
Let's work this out step by step to make sure we get it right.

これをシステムメッセージとして与え、あとはお題の ABC notation を与えてどうなるかを試してみます。お題の ABC notation を全パラメータの値が3の状態として、一旦感性を研ぎ澄ませた前衛的なアレンジをさせてみましょう。

多様な変数で prompt を調整し、メヌエット再チャレンジ

ということで、メヌエットに再チャレンジ!行って来い!

非常に楽しい雰囲気にアレンジしたものと、非常に複雑かつ美しくアレンジしたものの2パターンを出力してください。

Here is the input ABC notation:
```
M: 3/4
L: 1/8
K: G
|:\
"G"d2 (GA) Bc | d2 .G2- .G2 |\
"C"e2 (cd) ef | "G"g2 .G2- .G2 |\
"C"c2 (dc) BA | "G"B2 (cB) AG |\
[1,3 "D"F2 (GA) BG | A6 :|\
[2,4 "D"A2 (BA) GF | "G"G6 :|
|:\
  "G"b2 (ga) bg | "D"a2 (de) fd |\
"Em"g2 (ef) gd | "A"^c2 Bc A2 |\
 (AB) ^cd ef | g2 f2 e2 |\
 "D"f2 (.A2"A".^c2) | "D"d6 |
"G"d2 GF G2 | "C"e2 GF G2 |\
"G"d2 (.c2 .B2) | "D"(AG) FG A2 "^I"|\
 (DE) FG AB | c2 B2 A2 |\
 "G"(Bd) (.G2 "D".F2) | "G"G6 :|
```

the values of parameters of this ABC notation:
$TechnicalDifficulty=3
$MusicalStructure=3
$ArtisticExpression=3
$ArrangementCompatibility=3
$Originality=3
$AudienceEngagement=3

結果

楽しい雰囲気にアレンジしたもの

M: 3/4
L: 1/8
Q: 1/4=180
K: G
|:\
"G"d2 (GA) BA | d4>-.G2 |\
"C"e2 (cd) fe | "G"g4>-.G2 |\
"C"c2 (dc) BA | "G"B2>-.B2 AG |\
[1,3 "D"F2 (GA) BG | A6 :|\
[2,4 "D"A2 (BA) GF | "G"G6 :|
|:\
  "G"b2 (ga) bg | "D"a2>-.a2 fd |\
"Em"g2 (ef) gd | "A"^c2 Bc A2 |\
 (AB) ^cd ef | g2>-.g2 e2 |\
 "D"f2 (.A2"A".^c2) | "D"d6 |
"G"d2 GF G2 | "C"e2 GF G2 |\
"G"d2 (.c2 .B2) | "D"(AG) FG A2 "^I"|\
 (DE) FG AB | c2>-.c2 A2 |\
 "G"(Bd) (.G2 "D".F2) | "G"G6 :|
A lively and fun atmosphere with a moderately fast tempo and an emphasis on bright and catchy melodies to keep the audience engaged.

Arrangement summary: Tempo increased, simplified harmonies, right hand melody emphasized more, and a more syncopated rhythm was introduced.

$TechnicalDifficulty=4

$MusicalStructure=2

$ArtisticExpression=4

$ArrangementCompatibility=4

$Originality=4

$AudienceEngagement=6

こちらのリンクから聴くことが出来ます

複雑に、美しくアレンジ

M: 3/4
L: 1/8
K: G
|:\
"G"d2 (GA) Bc|"G"g2 .d2- .d2 |\
"C"ef (g2 cd) | "Em"e2 .G2- .G2 |\
"C"c2 (dc) BA | "G"B2 (cB) AG |\
[1,3 "D"A2 F2 BG | "A"A6 :|\
[2,4 "D"B2 (.d2 "G".g2) | G6 :|
|:\
  "G"b2 (ga) bg | "D"a2 (de) fd |\
"Em"g2 (ef) gd | "A"c2 B2 A2 |\
 (AB) ^c2 ef | "C"g2 e2 c2 |\
 "D"f2 (.A2"A".^c2) | "D"d6 |
"G"d2 GF dg | "C"e2 "Em"c2 "G"B2 |\
"G"D2 cB GA | "D"(A3 B3) FG A2 "^I"|\
 (DE) FG AB | cB A2 GB |\
 "G" (Bd) (.G2 "D".F2) | "G"G6 :|
A complex and beautiful arrangement with rich harmonies, polyphonic textures, and more intricate rhythms while still maintaining the essence of the original song.

Arrangement summary: Harmonies enhanced, polyphonic texture added, more intricate rhythms and counter melodies introduced.

$TechnicalDifficulty=6

$MusicalStructure=7

$ArtisticExpression=5

$ArrangementCompatibility=7

$Originality=7

$AudienceEngagement=4

こちらのリンクから聴くことができます

おおー、まぁ聴けるかも?アレンジしてることは伝わってくるな。

ということで次回(?)、他のいろいろな曲でやってみたり、さらなるパラメータを検討したりしてみます。編曲がある程度できるということは、曲と曲を合成するとかできたり?(例えばバッハの旋律の中にファミマの入店音をさり気なく入れるとかできないかな…)